訪問買取サービスのCRM・在庫管理システム再構築【株式会社GRACE様】

2024/07/27

訪問買取サービスのCRM・在庫管理システム再構築

株式会社GRACE様について

  • 社名:株式会社GRACE
  • 設立:2012年
  • 業種:リユース業、飲食業
  • 従業員規模:500〜1,000人

リユース業界で訪問買取サービスを展開する株式会社GRACE様は、複数ツールに分散した顧客情報や在庫管理により、日常のオペレーションが煩雑化していました。また、主要KPIのレポート作成を手作業で行っていたため、数値把握や経営判断にも時間がかかっていたといいます。
これらの課題解決を目指し、訪問予約から在庫管理までを一元化し、KPIをリアルタイムに可視化するシステムを開発。これによって、業務効率化と中長期的なコスト削減を同時に実現しました。本事例では、その具体的な課題から開発の工夫、導入後の成果までをご紹介します。

1. 背景と課題

株式会社GRACE様は、リユース業界において訪問買取サービスを展開しています。しかし、システム環境が複数のツールに分散していたため、以下のような課題が生じていました。

  1. 訪問予約〜在庫管理のシステムがバラバラ
    • 訪問予約、顧客情報管理、在庫管理などをそれぞれ別々のツールで管理しており、作業の二重入力やデータ連携のミスが多発。
    • 社内コミュニケーションもスムーズに行えず、日々の業務が煩雑化。
  2. 主要KPIの自動レポート化ができておらず、数値把握に時間がかかる
    • エクセルなどで手動集計を行っていたため、売上や在庫回転率などの主要指標の算出に時間がかかり、経営判断や施策改善のスピードが遅れていた。

これらの課題を解決し、業務フローを最適化していくために、新たにCRM機能と在庫管理機能を一元化したシステムの再構築プロジェクトが始動しました。

2. 開発概要

  • 開発期間:7ヶ月
  • 開発目的
    1. 訪問予約〜在庫管理を一元的に管理できるシステム基盤の構築
    2. 主要KPIの自動レポート化・可視化
    3. 業務コストとシステムコストの中長期的な削減

開発のポイント

  1. 既存データの移行とツール統合の最適化
    • 多数のツールで管理されていた顧客データ・予約情報・在庫データの統合をスムーズに進めるため、設計段階で詳細な移行計画を策定。
    • データの重複や不整合を防ぐためのチェック機能を実装し、新システム移行後のトラブルを最小限に抑制。
  2. 使いやすさを重視したUI/UX設計
    • 現場スタッフが直感的に操作できるUIを採用し、訪問予約や在庫管理が短時間で完結するように画面遷移やデザインを最適化。
    • スマートフォンやタブレットなど、外出先でも操作できるレスポンシブデザインを導入。
  3. 主要KPIのリアルタイム可視化
    • ダッシュボード機能を実装し、売上、在庫回転率、成約率など主要指標を自動集計・表示。
    • リアルタイムでデータを取得できるため、施策の効果測定やPDCAサイクルを迅速に回すことが可能に。

3. 導入後の効果

  1. 訪問予約〜在庫管理の一元管理で業務工数を大幅削減
    • これまで複数のツールを行き来していた入力作業が一本化され、入力ミスや重複が減少。
    • 業務効率が大きく向上し、コア業務や顧客対応に充てられる時間が増加。
  2. 中長期的なシステムコストの削減
    • 一つのプラットフォームに集約したことで、不要なシステムやツールの利用料、保守コストが削減。
    • 保守性の高いシステムを構築したため、将来的な機能拡張にも柔軟に対応可能。
  3. 主要KPIのリアルタイム把握と高速化したPDCAサイクル
    • ダッシュボードで常に最新のデータを可視化できるため、数値把握にかかっていた時間が大幅に短縮。
    • 経営陣や各担当が迅速に改善施策を検討・実行できるようになり、組織全体の生産性が向上。

4. 今後の展望

株式会社GRACE様では、リユース事業のさらなる拡大に向けて、次のような取り組みを計画しています。

  • AIを活用した査定サポート機能の追加
    買取時の査定精度向上を狙い、追加機能としてAIによる価格算出支援を検討。
  • 顧客満足度向上施策の強化
    システム上での顧客コミュニケーション履歴の分析・可視化をさらに進め、ファン化施策やリピート率向上を促進。
  • 他事業部との連携拡大
    GRACE様内の他事業ともデータ連携を進めることで、全社的な業務効率化と経営判断のスピードアップを目指す。

今後も継続的なシステム運用・保守を通じて、ビジネス成長とITインフラの最適化を同時に実現していく予定です。

5. まとめ

株式会社GRACE様の訪問買取サービスでは、分散していたシステムを再構築することで、業務効率化主要KPIの可視化を同時に達成しました。7ヶ月間の開発プロジェクトの末、現場の操作性を向上しながら中長期的なシステムコスト削減も実現。今後はさらなる機能拡充を計画し、リユース事業全体の競争力向上に大きく寄与することが期待されています。